Mリーグにまた一つドラマが生まれた―。
プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月21日第1試合、個人首位のU-NEXT Pirates・瑞原明奈選手と、その50ポイントほど下の2位につけるEX風林火山・松ヶ瀬隆弥選手がぶつかり合った対局は、オーラスまで息が詰まる展開が続いた。結果はセガサミーフェニックスの東城りお選手が制し、MVPの行方を混沌とさせる逆転劇で締めた。
まずは「海賊船を沈める」と意気込んで臨んだ松ヶ瀬選手が、東3局2本場にKADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳選手から満貫を直撃し主導権を握った。
目を奪われたのは南1局、親の松ヶ瀬選手がドラ3内蔵の先制リーチを敢行。そこに松ヶ瀬選手の現物待ちで三暗刻確定、黙聴6400点のテンパイを入れた瑞原選手は、解説・藤崎智プロの「リーチはないな~たぶん」との言葉とは裏腹にリーチを決断し、コメント欄が「殴り合いきたー」「MVPはどっちだ?」と盛り上がる中、瑞原選手が裏ドラを乗せる跳満ツモで松ヶ瀬選手を突き放した。
その後も、南2局に瑞原選手が鳴きを入れ、松ヶ瀬選手の高打点が見える好形1シャンテンの手をつぶす鮮やかな上がりを見せるなど両者のデッドヒートが続き、1着に瑞原選手、満貫ツモでまくれる3着に松ヶ瀬選手の並びでオーラスに突入した。
親の瑞原選手がリーチをしない手組で進行し、松ヶ瀬選手は早々とドラの南バック仕掛けを入れる中、そこにツモればトップ逆転の手で2着の東城選手がリーチ。ここで松ヶ瀬選手は一度天を見上げた後、仮に東城選手に振り込んで自身の点数を削ったとしても瑞原選手にトップを譲らないとばかりに、自身の手を維持しながら一発目から東城選手に無筋を猛プッシュ。これには「そんな思考があるんだ!」「怖すぎる」「松ヶ瀬流石だよ」といった声があふれかえった。結果的に東城選手が満貫をツモり、最後は瑞原選手2着、松ヶ瀬選手3着で幕を閉じた。
瑞原選手は対局後インタビューで、オーラスにタンヤオのみのポンテンをかけなかったことについて「あそこは軽く上がっておくべきだったんじゃないか」とやや悔しそうな表情で振り返った。残り試合が少なくなる中、MVP獲得については「もちろん取りたい気持ちはあるんですけど、近いポイントの選手がいっぱいいるので全然わからない。結局やることは同じなので」と前置きしつつ、「(MVPは)ほしいです」と頂点を狙う決意を新たにした。昨シーズンと違い、混迷を極めるMVP争い。これからもまた記憶に残る一戦が待ち受けている。
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