相手の鳴き仕掛けに対し、危険牌を恐れず、スッと通していくトッププロの一打。なぜ彼らは、あれほど自信を持って危険な牌を押せるのか。その思考の裏側を覗いてみたいと思ったことはないだろうか?
YouTubeチャンネル「発男道場」で公開された動画「【Mリーガー本人解説】押せるには理由がある!鳴き読み講座編(鈴木優プロ)」では、まさにその夢のような企画が実現。今回はMリーグ2024-25終了時点で最も成績を残している(+1,113.7pt)鈴木優プロをゲストに迎え、その思考の核心に迫る。本記事では、その貴重な解説の要点を凝縮して紹介しよう。
本記事は発男道場の動画より
なぜトイトイ模様の相手に「發」を切れたのか?

解説の舞台となるのは、2024年10月4日の第1試合、東4局。親の滝沢和典プロが早い巡目から仕掛け、3副露ポン。そんな中、鈴木プロは清一色の二向聴だが危険牌の「發」を切った。この一打には、一体どのような読みが隠されていたのか。
鈴木優の思考プロセス:「鳴き」と「手出し」が全てを語る

鈴木プロの思考の根源は、滝沢プロの「鳴き」と、その後の「手出し」にあった。細かい牌の精度は動画を見ていただき、ここでは思考プロセスのみ解説する。
1、仕掛けの分析: まず、滝沢プロの仕掛け(ポン)から、手の内にある程度の形を推測する。
2、手出し牌に注目: 次に、そのポンの後に手の中から切られた牌(手出し)に注目する。この手出し牌こそが、相手の手牌構成を絞り込む最大のヒントとなる。
3、可能性の消去法: 鈴木プロは、この手出しの情報から、「もし〇〇の形なら、この牌は切られないはず」「もし△△の形なら、もっと早くにあの牌が切られているはず」と、相手の手牌の可能性を一つずつ消去していく。
4、結論聴牌はまだしていない: この緻密な消去法の結果、「發」や、同じく危険に見えた「七索」が当たる可能性は極めて低い、聴牌はしていないという結論に到達したのだ。
鳴き読みをマスターするためのヒント

動画の最後で、鈴木プロは「鳴き読み」を上達させるためのヒントを語る。
- ・手出し・ツモ切りをしっかり見る: 基本だが、最も重要なこと。
- ・牌譜を巻き戻して考える: 鳴く前はこの形だったなを考える癖をつける。
- ・ギリギリの押し引きでこそ活きる: 鳴き読みは、自分が押すべきか引くべきか、ギリギリの判断を迫られた時にこそ、最大の武器となる。
まとめ:読みの精度が、勝敗を分ける
鈴木優プロの解説は、トッププロが卓上の情報をいかに深く、そして正確に読み解いているかを我々に示してくれる。なぜあの牌が押せるのか、その裏には、我々の想像を絶する緻密な情報分析と、可能性の検証があったのだ。
ぜひ動画本編で、MリーグNo.1プロの思考の深淵に触れ、あなたの「読み」の精度を新たな次元へと引き上げてほしい。