筋(スジ)と壁(カベ)ー。
この言葉は、麻雀を始めたばかりの人でも一度は聞いたことがあるんじゃないかと思います。
今回は、スジとカベについて解説していきます。
なぜ重要なのか
スジとカベ、これはめちゃくちゃ大事です。このスジとカベを知らずに麻雀をやるというのは、例えば、懐中電灯やライトを持たずに心霊スポットに乗り込むぐらい無謀だと思ってください。
知らないで打つと、絶対に負けます。反対に、この2つを知ってしまえば、一気に上達します。
そのため、初心者の方は役を覚えた次のステップでは必ず学んで欲しい内容となっております。
これで守備力アップ
前提として、このスジとカベは、主に守備の面で使うことが多いです。
相手から立直が入って、安全牌に困ったという時、このスジとカベを利用すると、相手が捨てている牌じゃなくても、比較的安全な牌を見つけることができるようになります。
攻撃にも役立ちますが、スジとカベは基本的に守備力を上げるために使うものと思ってください。
筋(スジ)
筋(スジ)とは、「147,258,369と両面(リャンメン)待ちを考慮した考え方」のことです。
これだけだと分かりづらいため、実際に牌を使ってスジの説明していきます。
はじめに、麻雀の牌の種類は全部で34種類ありますが、この中でリャンメン待ちを作れる牌の構成を考えてみると、字牌にはリャンメン待ちがないのでのぞいて、このようになります。
・2と3を持っている場合は、14待ち
・3と4を持っている場合は、25待ち
・4と5を持っている場合は、36待ち
こんな感じで6種類あり、
これはピンズとソウズでも同様に6種類ずつあるので、実際は18種類です。
このことを念頭に考え、
例えば、こんな捨牌の人から立直がはいったとします。
この時、自分の手牌はこんな感じで立直の現物がない状態。ここから何か切らないといけない時、みなさんはどうするでしょう。ここでスジの出番です。
このように捨牌に4マンがある時、もちろん、この人は4マンではロンあがりが出来ません。フリテンになってしまうからですね。そして、このフリテンというのは、この4マンだけでなく、4マンとリャンメン待ちになるもう片方の牌も該当します。なので、14マン待ちの1マンと、47マン待ちの7マンでも、ロンあがりすることができません。
なので裏を返すと、自分の手牌にある1マンと7マンは、捨て牌に4マンがある人に対しては、リャンメン待ちにはあたらない牌なので、比較的安全に切ることができるということです。これが、スジの考え方です。
では違うパターンも見てみると、今度はこんな捨て牌の人から立直が入ったとします。
捨て牌に2ソーがあるので、この2ソーとリャンメン待ちになるもう片方の牌は5ソーです。なので、5ソーがリャンメン待ちには当たらない安全な牌になります。
というのは間違いです。
この場合、確かに25ソーというのは、1つのリャンメンのパターンなので、相手に25ソーでロンあがりされることはないですが、5ソーでリャンメン待ちになるパターンは、相手が67ソーと持っている58ソーも含まれます。
なので、2ソーが捨ててあっても、58ソーでロンされることがあるので、5ソーは安全牌とは言えません。
ただし、捨て牌に2ソーに加えて、8ソーもあった場合は、25ソーと58ソーの両方のリャンメン待ちが否定されるので、5ソーは安全牌になります。
まとめると、スジの考え方としては、147、258、369の3パターンに分けられ、
それぞれ真ん中の4、5、6が捨てられていた時、
・4の場合は、1と7
・5の場合は、2と8
・6の場合は、3と9
が両方ともスジになるのでリャンメンには当たらない比較的安全な牌になります。
そして、真ん中ではない、例えば1が捨てられていた場合は、スジだからといって4が安全になるわけではないです。ただ、1だけでなく7も捨てられていた場合は、4が1と7、両方の筋になるのでリャンメンには当たらない安全牌になるということです。
このスジの仕組みを知っておくだけで、放銃率はぐんと下がるので、ぜひ実践でつかってみてください。
筋(スジ)引っかけとは
ただ、注意点もあります。「スジ引っかけ」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。「スジ引っかけ」とは、例えば、6ソーが捨ててある川に、筋で安全だからといって3ソーを捨てたら、カンチャン待ち(24ソー)、ペンチャン待ち(12ソー)で当たるというケースがあります。
この時は、ロンあがりされてしまうので、気をつけましょう。
このようなシャンポン待ちも、6ソーが捨ててあっても3ソーや9ソーでロンされてしまいます。
あくまでも、スジは、リャンメン待ちだけに当たらない牌を見つける時に参考になるものです。
逆に、自分が立直を打つ時、
このような形から5ピンを切って相手から2ぴんが出るのを狙うという方法もあります。スジをしっておけば、このように攻撃にも活かせるので試してみてください。
壁(カベ)
壁(カベ)とは、「場と自分の手牌を合わせて、同じ種類の数牌が何枚見えているかという考え方」のことです。
こちらも具体的に説明していきます。
麻雀牌は34種類あると説明しましたが、このうちトランプと同様に、それぞれ同じ牌が全部で4つずつ入っています。そのことを念頭に考え、自分がこんな手牌だったとします。
ここで相手から立直が入った時、比較的安全な牌はどれでしょう。さっきのスジに該当する牌は1つもないので、少し困ってしまうかもしれませんが、ここでカベの考え方を活用してみます。
注目するのは、自分の手牌に暗刻(同じ牌が3つある)の6ピン。
自分で6ピンを3枚持っていて河(場)に1枚も出ていないということは、
他の3人の手牌または残りの山のどこかに6ピンは1枚しかないということになります。
なので、まだ山が残っていて、立直をしていない他の2人が持っている可能性を考えると、立直をした人の手に残り1枚の6ピンがある可能性は低くなりますよね。ということは、6ピンを使った待ちになっている可能性も低いということが言えます。
先程のリャンメン待ちになるパターンを思い出してみると、
このパターンの中で6ピンを使ったリャンメン待ちになるケースは
・5ピン6ピンを持っている場合、47ピン待ち
・6ピン7ピンを持っている場合、58ピン待ち
の2つです。
なのでこの場合、7ピンと8ピンは比較的通りやすい牌になるということです。
これを、6ピンのカベで7ピン、8ピンが通りやすいという風は表現をします。
気をつけなければいけないのは、
7ピンのリャンメンである4ピンと、8ピンのリャンメンである5ピンは、
4ピンは14ピン、5ピンは25ピンに当たる可能性が安全とは言えません。
ただ、このように自分の手牌に6ピンの暗刻に加えて2ピンの暗刻もあった場合は、
6ピンのカベで47ピンの7ピンが比較的安全になり、
さらに、2ピンのカベで14ピンの可能性も低くするので、
4ピンと1ピンも安全牌の候補にすることができます。
このカベの考え方は、自分で持っているだけでなく、このように河に捨ててある場合も同様です。例えば、6ピンが河に2枚、自分で1枚使っている。
つまり残りの6ピンは1枚。ということは、この立直は6ピンを使った待ちになっている可能性が低いなと推察することができるということです。
つまり、自分の目に見えている牌の枚数を頼りに、カベができているのかどうかを判断することが大切です。
では、こちらも注意点を見ていきます。
いくら6ピン3枚のカベがあって7ピンが安全そうに見えても、
このような
・7ピンとなにかのシャンポン待ち
・8ピン9ピンと持っているペン7ピン待ち
でロンされることはあります。
また当然ですが、残り1枚の6ピンが立直している人の手にあり、それが待ちに絡んでいたら、47ピンや58ピンでロンされたり、カン7ピンでロンされることがあります。
ここでワンポイントアドバイスー。
壁の考え方で安全牌を探す際、あとどれくらい山が残っているかということが重要になってきます。
・山がまだたくさん残っていて、残り1枚の6ピンが見えていない時
・局がもう終盤で山が少ないのにまだ残り1枚の6ピンが見えていない時
これは後者の方が、立直した人が残り1枚の6ピンを持っている可能性が高まります。
なので、終盤になるにつれ、壁になっている確率が下がり、安全とは言えなくなるということを覚えておいてください。
ちなみに、自分の目からある牌が3枚見えていて、残り1枚を立直者が持っていなければ当たらないという場合を、ワンチャンスといったりします。
そして、自分の目からある牌が4枚全て見えている時は、ノーチャンスと言います。
6ピンが4枚見えている時は、6ピンのノーチャンスで、7ピンと8ピンはリャンメン待ちには絶対に当たりません。ただ、こちらもノーチャンスだからと言って切っても、シャンポン待ちやペンチャン待ちには当たることがあるので注意しましょう。
ここまでの内容で麻雀用語も理解したあなたはかなり上達したと言えます!
スジとカベを両方使い上級者に
それでは最後にこのスジとカベの考え方を同時に使うケースを見てみます。
例えば、こんな捨て牌の人から立直が入り、自分は立直の現物がなかったとします。
ここで比較的安全な牌は何でしょうか?
答えは、6ソーです。
なぜ6ソーと導き出せるかの方法を解説していきます。
まずスジの考え方を利用すると、河に3ソーが捨ててあるので、36ソー待ちのリャンメンには当たらないことがわかります。ただ、69ソーのリャンメン待ちに当たるケースがあるので、6ソーはまだ安全とは言えません。
でも、自分の手と河をみてみると、今度はカベの考え方が使えることがわかると思います。
8ソーが自分の手に2枚、他の人の川に2枚出ていて、自分の目から4枚全て見えています。ということは、立直している人は8ソーを持っていないということになります。なので、8ソーが絡むリャンメン待ち、69ソーが否定できるわけです。
ということは、スジの考え方でまず36ソーが否定でき、カベの考え方では69ソーが否定できたので、この立直に対して6ソーは比較的安全になるということです。
最後に
はい、ということで、筋(スジ)と壁(カベ)の考え方を説明してきましたが、少しは理解してもらえたら嬉しいです。これまで早い立直が入って焦ってしまっていた人も、これで慌てずに対応できるようになるんじゃないかと思います。
麻雀は冷静に自分の手と相手の河を見れば、意外と安全そうな牌を見つけることができるものです。これからも一緒に麻雀ライフを楽しみましょう!