【醍醐大プロ解説】MVPによる鳴き読み講座

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Mリーグの対局を見ていて、「なぜ今、その危険な牌が切れるんだ?」「どうしてあんな早い段階で降りを選択したんだろう?」と、トッププロたちの選択に驚いた経験はないだろうか。もし、彼らが卓上で繰り広げる超高度な思考のプロセスを、少しでも覗き見ることができるとしたら、知りたくないだろうか?

YouTubeチャンネル「発男道場」では、Mリーグで活躍する・醍醐大選手が「鳴き読み」をテーマに、実際の対局からその深い思考の核心を解き明かす動画を公開した。単なるセオリーではない、生きた読みの神髄に迫っていこう。

本記事は発男道場の動画より

今回は動画で紹介された2つのケースのうち、特に複雑な思考が光る1つ目のケースを詳しく紹介する。

なぜドラの「北」を切ったのか?

【状況】

2025年2月11日の第1試合。ドラは「北」。醍醐選手は点棒を増やしたい局面。一方、北家の瀬戸熊選手が仕掛けを入れている。醍醐選手は、危険牌であるドラの「北」を瀬戸熊選手に対して切れるかどうか、究極の選択を迫られていた。

【思考の核心】
ドラの北が瀬戸熊選手に切れるかどうかを捨て牌から読んでいく。
まずは河の情報。
・2・4pから3pをチーして打6s
・1巡前に2pをツモ切り

ここから分かること
→筒子を224pと持たずに先に2pを切ってカン3sを固定した
→索子7sを先に切っているのに6sを持っていた

この仕掛けをより深く読む上で北が切れるかを
醍醐選手は2段階の思考を行った。

思考段階1:索子の形を考える

切り順からこの2pも6sも愚形のフォロー牌であることが決まっていて、
瀬戸熊選手の手牌の可能性として、以下の2つの形を思い浮かべた。北を持っている前提で2pを切る前に戻って整理しよう。

・224p446s
・224p246s

この形のどちらかになっているはずで、醍醐プロは後者の246sの場合はほぼないと考えた。

・北が暗刻の場合
224p246s北北北(頭)22m(メンツ)789m
北家で北が暗刻で上記の手牌だった場合、ここから何を切るか
ポン材を残したいかつ7sを自身で切っていることから6sを切るのではないか

・北が対子の場合
224p246s北北(メンツ)123m(メンツ)789m
北家で北が対子で上記の手牌だった場合、ここから何を切るか
これでも2pは切りにくくなるだろう

このことから、索子の形は246はなく、前者の446のケースの方があると考え、もし聴牌(テンパイ)しているならば、待ちは「4sと何かのシャンポン待ち」である可能性が極めて高い、と推測の的を絞り込む。

思考段階2:「北」が待ちになる形を考える

待ちが「4sと何かのシャンポン」であると仮定した上で、次にその相方がドラの「北」であるケースを考える。ここでも思考の鍵を握るのは、「先に2pが切られている」という事実だ。

また2pを切る前に戻って整理しよう。

ここでは「北」が

・暗刻のケースなのか 224p446s北北北22789m 
→放銃にならない
・シャンポンのケースなのか 224p446s北北123789m 
→放銃になる

を考える。

・暗刻のケースの場合
224p446s北北北22789m 
3対子系の形でもあるため比較的に2pを切りやすいはずなので、
瀬戸熊選手の手順が2p→6sは納得いく

・シャンポンのケースの場合
224p446s北北123789m
これはドラバックも考慮するとポン材をやはり残したいはずなので、
先に6sもしくは4pの方が切られるのではないか

つまり、「先に2pが切られている」という切り順の情報が、「北」はシャンポンではなく暗刻である可能性が高い、と考えた。

結果

醍醐プロは、この深い読みに基づいてドラの「北」を勝負牌として切った。

しかし、結果は瀬戸熊選手への放銃。

瀬戸熊選手の実際の手は
224567p 446s 北北 234m
という、筒子の上があり伸びやすい形だったため、純粋な手の広さから「2p」が先に切られていたのだった。

放銃とはなったものの、これは相手の仕掛けの違和感から複数の手牌パターンを想定し、切り順という情報を元にその可能性を一つずつ潰していく、トッププロの立体的な思考が凝縮された見事な一打と言えるだろう。

動画では、もう一つのケースでも深い読みを堪能できる。興味を持った方は、ぜひ本編もチェックしてみてほしい。

鳴き読みは「勝負したい時に使う」

最後に、醍醐プロは「鳴き読み」について語った。

「鳴き読みは、『この牌をどうしても切りたい時に、この待ちが存在するのか?』を考える際に使うことが多い。ただ、頻繁に使うものではなく、それよりも『相手の手出しの牌を見た上で相手の手牌に何が含まれているかを考え、自分の待ちはアガれそうか否かを考えたりすることの方が重要』ですね」

今回の解説は、トッププロが卓上の膨大な情報をいかに処理し、最適解を導き出しているかを示してくれる、まさに神髄と呼ぶにふさわしい内容だった。麻雀ファンにとって、自身の雀力向上に繋がる多くのヒントが詰まっていたのではないだろうか。

本記事は発男道場の動画より

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